【役作りのステップ1】「役の状況を深く知る」ことが、リアルな演技への扉を開く
「役になれてるのか、わからずに演じている…」 「感情を込めているつもりなのに、なんだか薄っぺらく感じる…」
そんな悩みを抱えている方へ。
今回は、役作りのステップ1
「役の状況を深く知る」方法について書いていきたいと思います。
役作りというと
感情表現やセリフの言い回しに目がいきがちですが、そもそも役がどんな環境で生きているのかを知らなければ、リアルな演技にはなりません。
例えば、あなたが演じる役が「恋人にフラれたばかりの人」だったとします。それだけの情報だと、どんな反応をするのか分かりません。
また、前後のセリフから想像するだけでは浅い!誰でもできる演技にしかなりません。
では、何を探るのか?
どんな状況でフラれたのかを見ていきましょう。
- 長年付き合っていた恋人に突然別れを告げられた?
- 価値観の違いを感じて、自分から別れを決断した?
- 他に好きな人ができて、相手が離れていった?
この3つの状況だけでも反応は違ってくるはずです。
さらに具体的にやっていきましょう!
その1.役が生きている時代や場所をイメージする
まず最初に考えるべきは、「役の世界」です。
現代の東京で暮らしている人と、江戸時代の町人では、価値観も生活スタイルもまったく違います。
それを理解するだけで、立ち居振る舞いやセリフのトーン、反応の仕方が変わってきます。
- ☑ 役はどんな時代・国・地域に住んでいる?
- ☑ その時代・場所では、どんな価値観や文化がある?
- ☑ 役の生活環境は?裕福なのか、貧しいのか?
その2.役が直面している「課題」を知る
役は、必ず何かしらの悩みや目的を持っています。
それを知らずに演じると、どうしても表面的な芝居になってしまいます。
あなたが「仕事で悩んでいるサラリーマン」の役を演じる場合、ただ「落ち込む芝居」をするだけではなく、具体的に何に悩んでいるのかを考えてみましょう。
- ☑ 大きなプロジェクトに失敗してしまった
- ☑ 上司に理不尽なことを言われて悔しい
- ☑ 本当は別の夢があるけど、会社を辞める勇気がない
その3.役と周囲の人との関係を理解する
どんな人にも、家族や友人、恋人、同僚など、関わる人がいます。
そして、その関係性が行動や感情に大きな影響を与えます。
あなたが「母親と衝突する娘」の役を演じるとします。
二人の関係には、これまでの年月が影響しているのはいうまでもありません。
- ☑ 母親とは普段どんな関係?
- ☑ そもそも、母親との関係は良好?それともいつも衝突している?
- ☑ どんな出来事がきっかけで、今回の衝突が起こったのか?
俳優は、セリフの言葉をそのままの意味で受け取るだけでは、役を理解することはできません。
状況からどうしてこの言葉(セリフ)を選んでいるのか。
本当は相手に何を求めているのか(動機)。
どんなに元気で、明るい人でも、悩みや苦しみは抱えているもの。
そこを超えていく姿に、観客は心を震わせるのです。
俳優自身が、役と共感すること。
何かになるのではなく、自分ごととして感じることができるか。
お芝居は、そこにかかっています。
次回は、
ステップ2 「内なる声に耳を澄ませ。役の感情と思考を理解する」
について書いていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。